訪問看護で受けられる、産後うつへのサポート【看護師監修】
出産後、「産後うつ」と呼ばれる、精神的に不安定な状態が発生する事があります。
当訪問看護ステーション「ねんねこ」では、妊産婦の方のうつに対する精神的なケアやサポートを行っております。また、日本国内で産後うつもサポートしているステーションも数多くありますので、そのサポート内容(一例)を紹介いたします。
産後うつとは?どのような状態?
産後うつとは
産後うつとは、以下のような症状を指します。
産後うつ病とは、分娩後の数週間、あるいは数カ月間、極度の悲しみを感じたり、普段行っていた活動への興味を喪失したりする状態をいいます。 過去にうつ病になったことがある場合、産後うつ病を発症しやすくなります。 産後うつ病になると、極端に悲しくなったり、泣き叫んだり、易怒性や気分の変動がみられたりします。
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/
産後うつの具体的な症状
- 極度の悲しみや怒り、気分の変動
- コントロールできずに頻繁に泣いてしまう
- 子どもに対する関心の喪失または不合理な心配
- 子どもの世話ができない、または母親として不適切であるという感覚
- 自殺念慮、希死念慮
上記は産後うつの一般的な症状であり、これら以外の症状もあります。
産後うつは、産婦の約10~15%に発症が見られ、産後3ヶ月間、徐々に症状が現れるケースが多くあります。
産後うつが引き起こす問題点
産後うつを発症することで、母親本人が精神的に苦しんでしまう事は勿論、子供との絆が築けず、後に子供自身にも情緒的、社会的、認知的な問題が生じる可能性があります。
産後うつを放置し、さらに深刻な産後精神病に発展する事もあるため、産後うつは医療機関でサポートを受けるべき立派な疾患です。
産後うつの方が受けられる、訪問看護でのサポート
産後うつの方の中で、主治医が「訪問看護指示書」を発行できる場合、ご自宅での療養のサポートを行う「訪問看護」を受けることが出来ます。
産後うつに対する訪問看護でのサポート
サポートは一例であり、ステーションによって異なる場合がございます。
下記は当ステーションが提供しているサポート内容です。
精神的・心理的なサポート
産後うつで発生する、気分の沈みや不安などを、精神科を経験した看護師がサポートします。
悩みを吐き出したり、相談する事で、気持ちの整理を行います。
育児相談、日常生活でのサポート
食事や睡眠、清潔、対人関係、金銭管理など日常生活を送る上での看護的な面でのサポート、本人のペースに合わせて取り組めるよう支援します。
また、育児に関するお悩みが解決できるよう、相談を行います。
内服管理
場合によっては、主治医から処方されたお薬を飲むことで症状を軽減します。
訪問看護では主にそのお薬の管理を行います。また、薬による副作用の観察や早期発見ができるように支援します。
訪問看護で受けられる、産後うつへのサポートのまとめ
このように、産後うつが引き起こす問題は深刻化する可能性があるため、少しでも身体の調子が悪い、精神的につらさがある、またそれらが長引いている、と感じた場合、主治医や専門機関に相談する事が大切です。
また、ご本人が受診に至らない可能性もありますので、症状に気づいたご家族や、医療機関の方々も、専門機関への受診を促す事が大切です。